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退職金の相場|勤続年数・企業規模別の実データ

「自分の退職金はいくらになるのか」を判断する材料として、公的統計の実データを勤続年数別にまとめました。金額は推計や独自試算ではなく、 東京都・中央労働委員会・厚生労働省の3つの調査の公表値をそのまま掲載しています。

結論:勤続10年の退職金相場

  • 中小企業(従業員10〜299人)・大学卒・勤続10年(32歳)
    自己都合退職 112.5万円 / 会社都合退職 144.8万円
  • 中小企業・高校卒・勤続10年(28歳)
    自己都合退職 98.5万円 / 会社都合退職 126.4万円
  • 大企業(労働者1,000人以上)・大学卒・勤続10年(32歳)
    会社都合退職 305.7万円(中小企業の約2.1倍)

いずれも税引き前の支給額です。手取りは退職金の税金・手取りシミュレーターで計算できます。

中小企業のモデル退職金(勤続年数別)

東京都産業労働局中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)第8表-① モデル退職金(調査産業計)より。対象は従業員10〜299人の都内中小企業です。 勤続1年から掲載があるのはこの調査の特徴で、若い年次で辞めた場合の目安として使えます。

学歴勤続年数年齢自己都合会社都合
高校卒1年19歳6.3万円9.7万円
3年21歳19.6万円26.6万円
5年23歳39.7万円51.3万円
10年28歳98.5万円126.4万円
15年33歳190.3万円237.3万円
20年38歳288.1万円342.8万円
25年43歳434.2万円510万円
30年48歳575.7万円657万円
35年53歳700.8万円790.5万円
37年55歳739.8万円841.9万円
定年974.1万円
高専・短大卒1年21歳5.9万円9.7万円
3年23歳20.9万円28.2万円
5年25歳40.6万円51.6万円
10年30歳102.1万円152.8万円
15年35歳185.6万円227万円
20年40歳303.5万円357.8万円
25年45歳437.3万円509.9万円
30年50歳582.2万円663.5万円
35年55歳721.7万円815.3万円
定年992万円
大学卒1年23歳5.5万円9.6万円
3年25歳21.5万円30.4万円
5年27歳43.2万円57.4万円
10年32歳112.5万円144.8万円
15年37歳209.3万円255.9万円
20年42歳346.8万円408.1万円
25年47歳507.3万円615.6万円
30年52歳750.7万円776.2万円
33年55歳796.8万円889.7万円
定年1,149.5万円

「モデル退職金」は各企業が回答した標準的な金額であり、実際に支給された額の平均ではありません。表の年齢欄が示すとおり、 学校卒業後すぐに入社した場合を前提としています(高校卒・勤続10年で28歳、大学卒・勤続10年で32歳)。 定年欄は同調査に自己都合の集計がないため「—」としています。

大企業のモデル退職金(勤続年数別)

中央労働委員会令和5年賃金事情等総合調査表11 モデル退職金額(会社都合)より。対象は労働者1,000人以上の企業で、 調査産業計の値です。こちらは会社都合退職の金額のみが公表されています。

勤続年数事務・技術(総合職)大学卒事務・技術(総合職)高校卒生産 高校卒
3年69.6万円41.7万円55.3万円
5年121.3万円76.9万円96.9万円
10年305.7万円203.8万円230.8万円
15年585.1万円396.5万円410.9万円
20年1,021.6万円653.1万円678万円
25年1,487.5万円1,062.6万円1,006.1万円
30年2,054.5万円1,470.5万円1,399.4万円
35年2,539.5万円1,853.2万円1,779.1万円
60歳2,650.9万円2,143万円1,838万円
定年2,858.4万円2,162.5万円1,936.6万円

退職年金制度を併用している企業では、退職年金現価額が含まれています(同調査の注記による)。 また年齢ごとに回答企業数が異なります。

同じ勤続年数でも企業規模で2倍以上違う

退職金の相場を1つの数字で語れない最大の理由が、企業規模による差です。大学卒・会社都合退職で比べると次のようになります。

勤続年数中小企業(10〜299人)大企業(1,000人以上)倍率
10年144.8万円305.7万円2.1
20年408.1万円1,021.6万円2.5

中小企業側は東京都内の企業を対象とした調査、大企業側は全国の労働者1,000人以上の企業を対象とした調査で、 調査主体・対象範囲・調査年が異なります。厳密な同一条件の比較ではなく、規模による水準差の目安としてご覧ください。

退職金は「基本給×勤続年数」で決まるとは限らない

退職金の計算方法を調べると「基本給×勤続年数×給付率」という式がよく紹介されます。 しかし実際には、退職時の賃金を算定基礎としている企業のほうが少数派です。

中央労働委員会の調査では、退職一時金制度がある143社のうち、 退職時の賃金を算定基礎とするのは23社(16.1%)、 それ以外を算定基礎とするのが123社(86.0%)でした (複数回答方式のため合計は100%を超える)。

では何を基礎にしているかというと、退職時の賃金以外を算定基礎とする123社の内訳は、点数(ポイント)方式が96社(78.0%)、 別テーブル方式が22社(17.9%)です。 点数方式は「職能等級、勤続年数等を点数(ポイント)に置き換えて算定する方式」、別テーブル方式は「賃金と連動しない体系又はテーブルで算定する方式」と定義されています。

つまり「基本給がいくらだから退職金はいくら」と単純に逆算できる会社のほうが少数派ということです。 自分の金額を正確に知るには、勤め先の退職金規程を確認するのが確実です。

定年・会社都合・自己都合別の実支給額(全国)

厚生労働省令和5年就労条件総合調査第22表 退職者1人平均退職給付額より。常用労働者30人以上の民営企業/勤続20年以上かつ45歳以上の退職者が対象です。モデル金額ではなく、実際に支給された額の平均である点がこれまでの表と異なります。

退職事由大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(現業職)
定年1,896万円1,682万円1,183万円
会社都合1,738万円1,385万円737万円
自己都合1,441万円1,280万円921万円
早期優遇2,266万円2,432万円2,146万円

退職給付額は、退職一時金制度のみの場合は退職一時金額、退職年金制度のみの場合は年金現価額、 両制度併用の場合は両者の合計です(同調査の注記による)。 「早期優遇」がどの学歴でも最も高くなっている点は、早期退職募集を検討する際の材料になります。

よくある質問

勤続10年で辞めた場合、退職金の相場はいくらですか?

東京都産業労働局の調査(従業員10〜299人の中小企業)では、大学卒・勤続10年(32歳)のモデル退職金は自己都合退職で112.5万円、会社都合退職で144.8万円です。高校卒・勤続10年(28歳)は自己都合98.5万円、会社都合126.4万円となっています。一方、労働者1,000人以上の大企業を対象とした中央労働委員会の調査では、大学卒・勤続10年の会社都合退職で305.7万円と、中小企業の約2.1倍です。同じ勤続年数でも企業規模で大きく変わります。

退職金は基本給×勤続年数で計算されるのですか?

そう思われがちですが、実際に「退職時の賃金」を退職一時金の算定基礎としている企業は少数派です。中央労働委員会の令和5年調査では、退職一時金制度がある143社のうち、退職時の賃金を算定基礎とするのは23社(16.1%)、それ以外を算定基礎とするのが123社(86.0%)でした(複数回答方式のため合計は100%を超えます)。退職時の賃金以外を算定基礎とする123社の内訳は、点数(ポイント)方式が96社(78.0%)、別テーブル方式が22社(17.9%)です。基本給から単純に逆算できる会社のほうが少数派なので、実際の計算方法は自社の退職金規程で確認してください。

自己都合退職と会社都合退職で退職金はどれくらい違いますか?

中小企業のモデル退職金(大学卒)でみると、勤続10年では自己都合112.5万円に対し会社都合144.8万円で、会社都合のほうが高くなります。全国の実支給額(厚生労働省・勤続20年以上かつ45歳以上)でも、大学・大学院卒で自己都合1,441万円に対し会社都合1,738万円です。多くの退職金規程が自己都合退職に減額率を設けているためで、勤続年数が短いほど差の比率は大きくなる傾向があります。

定年退職の場合、退職金の平均はいくらですか?

厚生労働省の令和5年就労条件総合調査によると、定年退職者1人あたりの平均退職給付額は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で1,896万円、高校卒(管理・事務・技術職)で1,682万円、高校卒(現業職)で1,183万円です。ただしこの調査は勤続20年以上かつ45歳以上の退職者に限定されており、退職一時金と退職年金現価額の合計額である点に注意してください。

この相場表の金額から税金は引かれていますか?

いいえ、いずれの統計も税引き前の支給額です。退職金には退職所得控除があり、勤続20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)が控除されます。控除後の金額をさらに1/2にしたものに課税されるため、給与に比べて税負担は大幅に軽くなります。実際の手取り額は「退職金の税金・手取りシミュレーター」で計算できます。

相場が分かったら、次は手取りを計算する

このページの金額はすべて税引き前です。退職金は退職所得控除があるため税負担は軽いものの、 勤続年数が短いと控除額も小さくなります。実際に手元に残る額は次のツールで計算できます。

出典

このページの数値について

  • 掲載金額は上記3調査の公表値をそのまま転記したもので、当サイトによる推計・補間は行っていません。千円単位の統計値は万円に換算して表示しています(例:1,125千円→112.5万円)。
  • 統計値はあくまで調査対象企業の平均・モデル金額です。実際の支給額は勤務先の退職金規程によって決まるため、金額を保証するものではありません。
  • 調査ごとに対象企業の規模・地域・年次が異なります。表をまたぐ比較は水準の目安としてご覧ください。
  • 本ページは一般的な情報提供であり、個別の税務・労務相談に代わるものではありません。具体的な判断は勤務先の規程確認や、税理士・社会保険労務士へのご相談をおすすめします。

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